アルフレッド・マーシャル 経済学原理 1.1.4~1.1.5

さらに最低辺の人々以外にも、町や地方には、食料も、衣服も、住居も不十分な状態にある人々が大勢いる。そうした人々の教育は、賃金のための仕事につくということもあって、早い時期に中断している。人生の早い時期から長い時間、栄養のゆきわたらない体で、疲れる労働に従事しているため、精神的能力を高める機会に恵まれない。だが、貧しい人の生活は必ずしも不健全なものでもないし、不幸なものでもない。貧しい人は神や人間に対する愛情に喜び、感情を自然に洗練された状態にたもちながら、物質的には豊かな人と比べても劣らない生活をおくるのかもしれない。しかし、それにもかかわらず、貧困とは明らかに不幸なのである。たとえ貧しい人がよしとしても、その疲れはしばしば苦痛となり、喜びはない。さらに病気になると、貧困によって引き起こされる苦しみは10倍となる。しかし心が満ち足りていれば、こうした不幸に妥協することにもなるだろうけれど、妥協するべきでない人たちもいる。過度に働かされた挙げ句に教えてもらうこともなく、疲れてやつれた人たちには、精神的な能力をつかって上手く対処する機会もない。(1.1.4)

一般的に貧困がともなう不幸には、かならずしも因果関係がないものであるけれど、それでも概して言えば、「貧しい人を追いやるということが、貧しさなのである」。そして貧困の理由について研究するということは、人類が堕落する理由について研究することでもある。(1.1.5)

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