アルフレッド・マーシャル 経済学原理 1.Ⅳ.29

事実、現代経済学の創設者たちは、ほとんどの者が穏やかで、共感的な性質の者であり、厚い慈悲の心に影響をうけている。彼らは自分自身の富については、少しも気にかけることはない。一般大衆のあいだに、富が広がっていくことを気にかける。だが反社会的な独占には、強く反対する。幾世代にもわたって、経済学者は、階級的な法律に反対する運動を支援してきたが、その法律は、雇用主協会への参加が認められている産業別労働組合の特権を拒んだ。また経済学者の活動には、昔の救貧法が、農業や他の労働をするひとの心や家庭にふきこんだ毒の治療を求めようとしたものもある。経済学者は工場法を支援して、政治家や雇用主のなかには従順になるように求め、激しく妨害する者もいたが屈しなかった。経済学者が例外なく身を捧げた主義において、すべての人々がよい状態で生活できるようになることが個々の努力の最終目標であり、すべての公共政策の最終目標である。さらに経済学者は勇気においても、用心深さにおいても優れていたが、冷淡であるようにも見えた。なぜなら手探りで道を歩いている途中なのに、急激な進歩を擁護する立場にあるとは思いもしなかったからである。ただ一つ確実な安全策とは、自信にみちた希望をいだく人にあるものであり、その人の想像力こそが強く求められるものであって、固定された知識でもなければ、鍛え抜かれた思考でもない。


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