「遊女物語」 五回 大正二年 和田芳子

 

女将(ぢうしゃう)小言

 

「遊女物語」の製本が出来て、書屋(ほんや)は、一月二十四のお(ひる)(ごろ)であた。賤業婦(せんげふふ)だ、売笑婦(ばいせうふ)と、一口(ののし)を、やうの、(これ)(じつ)苦界(くがい)()四年間、記念である。事実て、あ(まま)に、果敢(はか)運命ら、苦界(くがい)苦心を、(うつ)記念である。て、一頁(いちぺいじ)一頁(いちぺいじ)(ひら)今更万感(ばんかん)(うしお)やうに、であ

 (わたし)は、しい友達やう心地で、()自分(ふで)第一(ぺいじ)()と、昨夜(ゆうべ)か、平時(いつ)(しま)た。

()(ゆふ)風呂(のち)平常(いつも)(とほ)、お化粧て、()()やう主人(しゆじん)部屋ら、一寸(ちょっと)()女将(おかみ)が、

「お(まへ)さうが、一寸(ちよつと)()()()たいら。」

()て、()今更「御座(ござ)と、(わけ)()

御覧(ごらん)も、()ないよ」

と、自分の部屋から、持つて来て、女将(おかみ)

 (その)(ばん)は、お客様二人あで、

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