サキ「耐えがたきバシントン」 Ⅶ章74

アーダ・スペルベクシーは財布の金貨数枚が空になり、それにともなって高慢なところが態度に滲みでた。

「もう、行かないといけない」彼女は言った。「早い時間に夕食をとる予定だから。その後で、家政婦たちに演説をすることになっているのよ」

「なんのために?」レディ・キャロラインは苛々させるような率直さで尋ねたが、それは彼女の恐るべき性格のひとつであった。

「ええ、家政婦たちが聞いたら、きっと喜ぶようなことで話すことがあるのよ」アーダは甲高い声でいった。

彼女の発言は、あらゆることへの深い不信も露わに、無言のまま受けとめられた。

「労働者階級のためにつくしているの」彼女はつけたした。

「そうするように誰も言っていないけど」レディ・キャロラインが指摘した。「でも残念な真実だけれど、貧乏人はいつも私たちを頼りにしている」

 

アーダ・スペルベクシーは出発を急がせた。その逃げ出す有様は美しさを損なうものとして印象に残るものであったが、彼女が不運の頂点に達したトランプの卓は、いちじるしく狼狽した。しかしながら、いちだんと迷惑をかけるおかげで、彼女は家政婦の問題について調べ、機嫌よくなることができた。結局、誰もレディ・キャロラインと午後を過ごしたりしないのだ

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