サキ「耐えがたきバシントン」Ⅷ章 76回

風がつよくて後悔したくなるような午後だった。その日は、朝からひどく蒸し暑くなったり、激しく雨が降り出したりと、交互に繰り返していた。そして、この午後の天気は、雨とは本当に有り難いものだと愛想良く話したい衝動にかられるようなものだった。人々からすれば、こうした天気の長所とは、主として、中庸のすばらしさについて理解させてくれるものであった。その日はまだ病が治ったばかりで衰弱しているときであり、朝早くから身体をうごかして活動する日でもあった。エレーヌは、いつものように乗馬をしようと無意識のうちに、馬小屋へ行くように指示をだしていた。そこは馬と藁の甘い香りがする聖なるオアシスであり、石油が強い異臭を放つ世界において清潔さをたもっていた。そこから長くのびている田舎の小道へ、彼女は雌馬をきびきびと走らせた。その日の午後は、園遊会にでることになっていたのだが、彼女は反対の方向へと馬を走らせた。

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