サキ「耐えがたきバシントン」 Ⅸ章 95回

エレーヌは自分の望みを法にしたいわけではないが、少なくとも、法律について審議する第二読会さながらの形式を重んじていた。彼が計算にいれていなかった重要な要素とは、他の求婚者の存在だった。その求婚者には推薦されるだけの若さもあれば、機知もあり、身体的な魅力にも欠いていなかった。コーマスは勝利を掌中におさめていると言いたそうに、見知らぬ田舎を傍若無人に歩きまわりながら、その一方で自分のかたわらに無敵の敵がいるのに気がつかないという過ちをおかしてしまった。

今日、エレーヌは口論することもないので、コーマスに共感しあっているように思えた。問題に気がついたとしても、そのほとんどは彼女のせいではなかった。実際、穏やかな見地から考えてみても、大半が彼のせいであった。銀の皿の事件にしても、目新しい魅力には欠けるもので、一連のつながりの中でのことであり、強く結びついた類似点から生み出されたものだった。

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