サキの長編小説「耐えがたきバシントン」15章173回

だが年上の伯母であるミセス・ゴールドブロックの方は、休息療法ともいうべき性格を持ち合わせていなかった。ほとんどの人から、もっぱらうるさく思われていたのだが、それは生真面目に、どうでもいいことを質問してくる彼女の習慣のせいであった。くだらない病気にかかったあとで、その病気について尋ねてくる彼女の様子から受ける印象とは、関心があるのは体の不調そのものではなく、不調による運の起伏なのだろうということだった。そして風邪から抜け出しても、郵便用の住所を教えるようにと期待されているようにまで感じるのだった。おそらくその態度は、生まれながらの内気さを防御しようとする姿勢からきているのだろうが、彼女は信頼に値する女性ではなかった。

「コートニーにまた電話のようね」ヨールが急いで部屋を横切っていくと、年下の伯母の方が見解をのべた。「どうやらあの若い方にはずいぶんと、電話のシステムが浸透しているようね」

「電話のおかげで、結婚から大半の苦痛が奪われるというわけね」年上の伯母がいった。「ペンとインクを使って書いた手紙は、まちがって送られた人に読まれてしまうかもしれないけど、電話なら確実ですものね」

The elder aunt, Mrs. Goldbrook, did not share her sister’s character as a human rest-cure; most people found her rather disturbing, chiefly, perhaps, from her habit of asking unimportant questions with enormous solemnity.  Her manner of enquiring after a trifling ailment gave one the impression that she was more concerned with the fortunes of the malady than with oneself, and when one got rid of a cold one felt that she almost expected to be given its postal address.  Probably her manner was merely the defensive outwork of an innate shyness, but she was not a woman who commanded confidences.

“A telephone call for Courtenay,” commented the younger of the two women as Youghal hurriedly flashed through the room; “the telephone system seems to enter very largely into that young man’s life.”

“The telephone has robbed matrimony of most of its sting,” said the elder; “so much more discreet than pen and ink communications which get read by the wrong people.”


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