アーサー・モリスン倫敦貧民窟物語「ジェイゴウの子ども」2章21回

それでも、イースト・エンドについて語る者はごく少数だった。だが奉挙使節団を支持する者たちは多かった。ほとんどの者が支持することに納得したのは、イースト・エンドについての話を聞いていたり、慈善をよびかける文を読んでいたり、あるいは警察裁判所や審問報告書を読んで納得していたからだった。そこにでてくるイースト・エンドは、スラムの荒野だった。スラムには、餓死しそうな人間の有機体がびっしりつまっていたが、彼らには心もなければ、道徳もなく、たがいを生きたまま捕らえて食べていた。こうした支援者たちは、特別な祝祭のときに、品のよい聖職者にまざって三々五々協会を訪れた。そして全知協会が堕落した階級にすばらしい効果をおよぼしていることに驚き、彼らの性格にしても、習慣にしても向上していることに驚嘆するのだった。その祝祭とは、おそらく誰も酔いしれることのないコンサートだった。あるいは誰も大きな声で歌うこともなければ、帽子をかぶることもなく、相手の目にむかって一発くらわすような舞踏会でもなかった。でも大いなる驚きをもたらすものだった。イースト・エンドを観察してきた者たちが証言すれば、多額の寄付金がはいってきて、そこで新しい建物が建築されたというわけだ。

But the Missionaries were few, and the subscribers to the Elevation Mission were many. Most had been convinced, by what they had been told, by what they had read in charity appeals, and perhaps by what they had seen in police-court and inquest reports, that the whole East End was a wilderness of slums: slums packed with starving human organisms without minds and without morals, preying on each other alive. These subscribers visited the Institute by twos and threes, on occasions of particular festivity among the neat clerks, and were astonished at the wonderful effects of Pansophic Elevation on the degraded classes, their aspect and their habits. Perhaps it was a concert where nobody was drunk: perhaps a little dance where nobody howled a chorus, nor wore his hat, nor punched his partner in the eye. It was a great marvel, whereunto the observers testified: so that more subscriptions came, and the new wing was built.

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