アーサー・モリスン「ジェイゴウの子ども」 32章 142回

 

ビル・ランは、次の日の朝はやくジョシュを呼びだした。そして二人は肩をならべながら、オールド・ジェイゴウ・ストリートをぶらついた。

「仕事をさがしているのか?」ビルがたずねた。「いつもの仕事ならあるんだが。いい仕事だ。まったく安全な仕事だ」

「それは、どんな仕事なんだ?」

「奪い取ることができなければ、押し込みに入るのはどうだ?」

 それは侵入強盗のことで、鍵をつかって、静かに入って侵入するのだった。ジョシュのあげた最後の手柄のことが、不愉快にも思いだされた。でも、彼は答えた。「わかった。もちろん、話次第だが」

「ああ、いい話だとも」ビル・ランはとくに理由もなく笑みをうかべ、自分の太股をたたいては、この上ない喜びだということを表現した。「いい話だ、誓ってもいい。二週間ずっと練ってきた計画だ。だが、この計画には二人必要になる。いまいましいことに、誰もいない!」ビル・ランは、もう一度笑みをうかべ、ステップダンスで二回足を鳴らした。「どう思う?」彼はふと真剣になって、意見を求めてきた。「塀に穴をあけるのは、どうか?」

新しい趣向だったが、ジョシュは心のなかで、最初は胸を高鳴らせたものの、それは勝負師のすることではないように思えた。「どこの塀か?」ジョシュは訊ねた。

 ビル・ランは、ふたたび顔中に笑みをうかべた。彼は腰を曲げ、顎を前につきだし、腕をふりあげながら答えた。「老いぼれウィーチの塀さ」

 

Bill Rann called for Josh early the next morning, and they strolled down Old Jago Street in close communion.

‘Are you on for a job?’ asked Bill. ”Cos I got one cut an’ dried—a topper, an’ safe as ‘ouses.’

‘Wot sort o’ job’s this?’

‘Wy a bust—unless we can screw it.’

This meant a breaking-in, with a possibility of a quieter entrance by means of keys. It was unpleasantly suggestive of Josh’s last exploit, but he answered: ‘Awright. Depends, o’ course.’

‘O, it’s a good un.’ Bill Rann grinned for no obvious reason, and slapped his leg to express rapturous amusement. ‘It’s a good un—you can take yer davy o’ that. I bin a thinkin’ about it for a fortnight, but it wants two. Damme, it’s nobby!’ And Bill Rann grinned again, and made two taps of a step-dance. ‘Wotjer think,’ he pursued, suddenly serious, ‘wotjer think o’ screwin’ a fence?’

It was a novel notion, but in Josh’s mind, at first flush, it seemed unsportmanlike. ‘Wot fence?’ asked Josh.

Bill Rann’s grin burst wide again. He bent low, with outstretched chin, and stuck his elbows out as he answered: ‘Wy, ole Weech!’

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