アーサー・モリスン「ジェイゴウの子ども」37章 170回

 そうだ、カナリヤは死んだほうがいい。他の者も、そうだ。今、ここで静かに死ぬことができれば楽だというものだ。だが、母親と子供たちが望みもなく取り残されるということになれば、話は別だ。母親と子供たちにとって望ましいのは、気楽に姿をくらまして、心地よい場所―たとえばスタート神父の居間であるーで目を覚ますことなのだ。だが、おそらくそこで見つけるものは、とても滑稽なものだろう。

 網のように貼りついた、この耐えがたい無感覚は、いったい何なのだろうか。彼には、すべてがはっきりとわかっていたが、投げやりで、ぞんざいな雰囲気があった。安堵感をえられるのは、暴力的な何らかの行動にでた場合であり、たとえば、それはハンマーで粉々に打ち砕いたりするような行為であった。

 彼は、廃墟となった家のまえに来た。大騒ぎをして喚く声が聞こえ、三十人から四十人の群衆が杖を振りかざしながら、空き地から流れてきた。

「かかってこい。かかってこい、ジェイゴウ。そこにいるのはわかっている」

 戦いだ。それなら、なおのこと歓迎だ。それからダヴ・レーンの連中も歓迎だ。ダヴ・レーンは、嘲りの言葉をわめいていた。「ジェイゴウが喉をきってやる」それから…。

 

Yes, Canary would be better off, dead. So would others. It would be a comfortable thing for himself if he could die quietly then and there. But it would never do for mother and the children to be left helpless. How good for them all to go off easily together, and wake in some pleasant place, say a place like Father Sturt’s sitting-room, and perhaps find—but there, what foolishness!

What was this unendurable stupor that clung about him like a net? He knew everything clearly enough, but it was all in an atmosphere of dull heedlessness. There would be some relief in doing something violent—in smashing something to little pieces with a hammer.

He came to the ruined houses. There was a tumult of yells, and a crowd of thirty or forty lads went streaming across the open waste, waving sticks.

‘Come on! come on, Jago! ‘Ere they are!’

A fight! Ah, what more welcome! And Dove Lane, too—Dove Lane, that had taken to bawling the taunt, ‘Jago cut-throats,’ since …

さりはま の紹介

何かあればsarihama★hotmail.co.jpまでご連絡ください。★は@に変えてください。更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: ジャェイゴウの子ども パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.