アーサー・モリスン「ロンドン・タウンへ」1章21回

 

これほど卑しい振る舞いはないだろうが、それでも十分にむくわれた。せいぜい悪い方に働いたとしても、感じのいい人柄を強調するだけだった。個人的な便宜をはかってもらうには、またとない好機になった。そうしたことをしているうちに、アイザックおじさんの評価は、知人のあいだで確固たるものになった。話しをする番がくるたびに、抜け目ない洞察力を発揮するからだった。しかしながら、老いた郵便配達夫は窮屈に感じるだけだった。彼の考えでは、息子が死んだ今、その未亡人と子どもたちが、自分と同じ屋根の下に来るのは至極当然のことで、彼女たちを連れてきたのも自然な流れにすぎなかった。だが、ベッシーの母親はあっさりいった。「そうね、おじいちゃんは私たちによくしてくれるわ、いつでも」彼女は子どもたちと同じように、彼のことを「おじいちゃん」と呼んでいた。

 

Nothing could be cheaper, and on the whole it paid very well. At worst, it advertised an amiable character; and there remained off-chances of personal benefit. Moreover the practice solidified Uncle Isaac’s reputation among his acquaintances. For here, quoth each in his turn, was plainly a man of sagacious discernment. The old postman, however, was merely uneasy. To his mind it was nothing but a matter of course that when his son died, the widow and children should come under his own roof, and it was as a matter of course that he had brought them there. But Bessy’s mother said simply:—”Yes, gran’dad’s been a good one to us, always.” She, as well as the children, called him “gran’dad.”

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