アーサー・モリスン「ロンドン・タウンへ」1章24回

 

老メイはその音を耳にしたので、入り口のほうにふみだした。だが威厳は、もうミスター・バトソンの顔から消えていた。その頬は血の気がひき、口も、目も大きくひらいていた。彼はあとずさると、階段のほうにむかっていた。見ている者はいなかった。だが、子ども達は気づいていた。外のほうに注意をむけていたからだ。

「ねえ! ダン・カウにいく道はどっちなの?」

「あの小道だけど、わかるかい?」老郵便配達夫はこたえた。「右の道をすすんでいけば、ダン・カウにつく。森をぬけていくより、少し遠回りになるかもしれないが。でも間違えることはない」

「わかったわ」女がふたり、それから男がひとりいた。わめいていた女は少し落ち着いた調子で、なにやら仲間に話しかけていた。だが「半ペニー」という言葉がたしかに聞こえたかと思うと、笑い声があがった。「おやすみなさい、じいさん」彼女は大声でさけんだ。「ずぶ濡れの剣をつかってジャムの瓶にしまいな」

 

Old May stepped over the threshold at the sound; but the magnificence was stricken from the face of Mr. Batson. His cheeks paled, his mouth and eyes opened together, and he shrank back, even toward the stairfoot. Nobody marked him, however, but the children, for attention was directed without.

“Djear! which way to the Dun Cow?”

“See the lane?” answered the old postman. “Follow that to the right an’ you’ll come to it. It’s a bit farther than through the wood, but ye can’t go wrong.”

“Right!” There were two women and a man. The screaming woman said something to the others in a quieter tone, in which, however, the word “tiddlers” was plain to hear, and there was a laugh. “Good-night, ole chap,” she bawled back. “Put ‘em in a jam-pot with a bit o’ water-creese!”

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