アーサー・モリスン「ロンドン・タウンへ」1章30回

 

すでに宵闇がせまり、空一面に星がちらばっていた。老人と少年は視覚よりも触覚をたよりにして進んでいき、幽霊のようにそびえる木々のあいだを通っていった。どこまでもひろがっていく木々のざわめきが、冷え冷えとした大気をみたしていた。その木々がうかびあがっている高台から、目にはいってくる景色とは、ラフトンの明かりであり、またウッドフォードの明かりであった。美しく見えてくる田園風景のなかにあると、ほかのものは遠くに思えた。エセックスの至るところから、夜風が勢いよく吹きつけていた。さらにその向こうにあるロビン・フッド・ロードからは、車の音やざわめく音がきこえてきた。やがて懐中電灯が赤や緑に光りだしたのは、宴にでていた人々が家にかえりだした兆候であった。

 

It was dark night now, and the sky all a-dust with stars. The old man and the boy took their way more by use than by sight amid the spectral presences of the trees, whose infinite whispering filled the sharpening air. They emerged on high ground, whence could be seen, here the lights of Loughton and there the lights of Woodford, and others more distant in the flatter country. Here the night wind swept up lustily from all Essex, and away from far on the Robin Hood Road came a rumble and a murmur, and presently the glare of hand-lights red and green, the sign and token of homing beanfeasters.

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