リチャード・ミドルトン「ブライトン街道にて」2回

「おやまあ、すごく気分がいいじゃないか」彼は思った。「ついているじゃないか、ここで目が覚めたなんて。それとも、ついていないのか…戻ってやる仕事がないなんて」彼は視線をあげると、青を背景にして輝いている丘陵地帯をながめたが、それはまるで絵葉書のアルプスのようであった。「また四十マイルかそこらを歩くことになる、おそらく」彼は陰鬱に言葉をつづけた。「昨日、なにをしたかといえば。ひたすら歩いて、ついにはくたくたになったというのに、まだブライトンから十二マイルしか離れていない。雪もいまいましい、ブライトンもいまいましい、すべてがいまいましい」太陽は丘を這い、徐々に高度をあげていった。彼は丘陵に背をむけ、辛抱強く道を歩きはじめた。

 「よろこぶべきか、嘆くべきか、訪れたのが眠りだけとは。よろこぶべきか、嘆くべきか、よろこぶべきか、嘆くべきか?」彼の思考は、ドサッドサッという規則的な足音を伴奏にしながら、形づくられるように思えるもので、問いかけの答えは、ほとんど探そうとはしていなかった。歩き出しているだけで十分満足していた。

 

“Come, I feel pretty fit,” he thought. “I suppose I am lucky to wake at all in this. Or unlucky–it isn’t much of a business to come back to.” He looked up and saw the downs shining against the blue, like the Alps on a picture-postcard. “That means another forty miles or so, I suppose,” he continued grimly. “Lord knows what I did yesterday. Walked till I was done, and now I’m only about twelve miles from Brighton. Damn the snow, damn Brighton, damn everything!” The sun crept higher and higher, and he started walking patiently along the road with his back turned to the hills.

 ”Am I glad or sorry that it was only sleep that took me, glad or sorry, glad or sorry?” His thoughts seemed to arrange themselves in a metrical accompaniment to the steady thud of his footsteps, and he hardly sought an answer to his question. It was good enough to walk to.

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