リチャード・ミドルトン「ブライトン街道にて」4回

 放浪者はしばらく考えにふけった。「どうだか」彼はみじめな思いでこたえた。「いつも道の先に何かあると思っているのだが」

 「そのうち、そんなこと思わなくなるよ」少年はいった。「ロンドンのほうがあたたかいけど、食べ物にありつくのは大変だから。本当にめったにありつけない」

 「それでも、そこに行けば、同情してくれる人に会うこともあるかもしれない…」

 「いなかのひとの方が優しいよ」少年がさえぎった。「ゆうべ、納屋にただで泊めてもらって、牛といっしょに寝たんだ。朝になると、そこの農家の主に叩き起こされたけど、それでも、体がとても小さいからといって、お茶とパンをだしてくれた。いなかでは、うまくやれる。でも、これがロンドンだと…。夜になってエンバンクメントの河岸通りでスープの施しをもらうのがやっと、あとは始終おまわりさんに追いかけられることになる」

 「昨夜、道端で倒れたんだが、そのまま倒れたところで寝ていた。死ななかったのが不思議なくらいだ」放浪者はいった。少年はふと相手を見つめた。

 「どうして分かるの、死んでないってことが?」彼はいった。

 「さあ、どうしてだろう」ややしてから、放浪者はいった。

 

 The tramp reflected for a moment. “I don’t know,” he said bitterly, “I’m always expecting things.”

 ”You’ll grow out of that;” the boy commented. “It’s warmer in London, but it’s harder to come by grub. There isn’t much in it really.”

 ”Still, there’s the chance of meeting somebody there who will understand–“

 ”Country people are better,” the boy interrupted. “Last night I took a lease of a barn for nothing and slept with the cows, and this morning the farmer routed me out and gave me tea and toke because I was so little. Of course, I score there; but in London, soup on the Embankment at night, and all the rest of the time coppers moving you on.”

 ”I dropped by the roadside last night and slept where I fell. It’s a wonder I didn’t die,” the tramp said. The boy looked at him sharply.

 ”How did you know you didn’t?” he said.

 ”I don’t see it,” the tramp said, after a pause.

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