チェスタトン「マンアライヴ」一部一章第15回

三番目の男は、帽子をかぶっていなかった。痩せた男で、光をうけて、狩猟用の服をきた姿がぼんやりみえた。口にくわえた大きなパイプのせいで、彼は余計痩せてみえた。物憂げな、皮肉が好きそうな顔をしていて、群青色の髪に、アイルランド人の青い目、青ざめた俳優のような顎の持ち主だった。たしかにアイルランド人ではあったが、俳優ではなかった。ただし、昔、ミス・ハントのジェスチャー当ての遊びをしたときのことは例外である。実際のところは、無名の、生意気な新聞記者で、マイケル・ムーンという名であった。彼は、昔、何となく弁護士(バー)になるものと思われていた。だが、面白くないウィットをきかせてウォーナーがよく言ったものだが、仲間たちが彼を見かけたのは、別な種類の居酒屋(バー)であった。しかしながらムーンは酒を飲まなかったし、酔っぱらうことも頻繁にはなかった。彼は、下流の仲間を好む紳士にすぎなかった。これは上流社会より下流の仲間のほうが静かなせいでもあった。もしバーの女給仕と話をして楽しんだとしても-明らかに彼は楽しんでいた-、それは主に女給仕のほうで話をしてくれるからだ。

 

The third man had no hat; he was lean, in light, vaguely sporting clothes, and the large pipe in his mouth made him look all the leaner. He had a long ironical face, blue-black hair, the blue eyes of an Irishman, and the blue chin of an actor. An Irishman he was, an actor he was not, except in the old days of Miss Hunt’s charades, being, as a matter of fact, an obscure and flippant journalist named Michael Moon. He had once been hazily supposed to be reading for the Bar; but (as Warner would say with his rather elephantine wit) it was mostly at another kind of bar that his friends found him. Moon, however, did not drink, nor even frequently get drunk; he simply was a gentleman who liked low company. This was partly because company is quieter than society: and if he enjoyed talking to a barmaid (as apparently he did), it was chiefly because the barmaid did the talking.

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