チェスタトン「マンアライヴ」一部二章第43回

その男が誰なのかはっきりしないにもかかわらず、不運なイングルウッドは、相手が旅行鞄をあける姿を見ると、その男の寝室に立ちつくして、男友達らしい無能な態度を発揮していた。スミス氏は鞄をあけて荷物をとりだしていたが、それは目眩がするような正確さで、木を登り、屑を扱うかのように、鞄から品々を放り投げていたときと同じ正確さであった。そして自分のまわりの床の上に、規則的な模様を描くようにして、鞄の中の品々をまき散らしていた。

 そういうことをしながら、彼は話し続け、しかも幾分あえいでいる様子であった。(一度に四段も登ったせいだが、そのようなことをしなくても、彼の話し方は息切れがしているし、てんでばらばらであったけれど、それでも彼の意見は多少なりとも意義のあるものなのだが、しばしば切断されることのある画像のようなものでもあった。

 

Despite these doubts about identity, the hapless Inglewood watched the other unpack, and stood about his bedroom in all the impotent attitudes of the male friend. Mr. Smith unpacked with the same kind of whirling accuracy with which he climbed a tree—throwing things out of his bag as if they were rubbish, yet managing to distribute quite a regular pattern all round him on the floor.

As he did so he continued to talk in the same somewhat gasping manner (he had come upstairs four steps at a time, but even without this his style of speech was breathless and fragmentary), and his remarks were still a string of more or less significant but often separate pictures.

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