チェスタトン「マンアライヴ」一部二章第61回

マイケルは身をおこすと、平衡を保ちながら立ったが、そこは屋根の端にあたる危ない場所で、その姿は切り妻に飾られた黒の彫像のようであった。彼の背後にひろがる雲は雲頂高くそびえ、この世のものとは思えない紫の色をしていたが、雲がむくむくと真逆の形に崩れていく有様は、しんと静まりかえったなかで、天が混乱しているようであった。雲の回転のせいで、その黒い人影もゆれているように見えた。

「さあ、僕たちは…」彼は言うと、いきなり黙り込んだ。

「さあ、何だって?」アーサー・イングルウッドは尋ねながら立ち上がったが、その動きは素速いものでありながら、用心深くもあった。友人が話している途中で、何らかの困難に気づいたように思えたからだ。

「これから出かけて、出来ないようなことをやろうじゃないか」マイケルは言った。

 

Michael had risen to his feet, and stood poised in a perilous position at the end of the roof, like some dark statue hung above its gable. Behind him, huge clouds of an almost impossible purple turned slowly topsy-turvy in the silent anarchy of heaven. Their gyration made the dark figure seem yet dizzier.

“Let us…” he said, and was suddenly silent.

“Let us what?” asked Arthur Inglewood, rising equally quick though somewhat more cautiously, for his friend seemed to find some difficulty in speech.

“Let us go and do some of these things we can’t do,” said Michael.

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