チェスタトン「マンアライヴ」一部四章第93回

「まったくのところ」ロザムンドは頑固に言い張った。「何が言いたいのかわからないわ」

「そんなのは嘘だ」マイケルはさけぶと、目をぎらつかせながら彼女の方へと進み出た。「ぼくは普通なら嘘に賛成するよ。でも今夜はちがうのがわからないのか? 僕たちが散歩してきたのは、事実からなる世界なんだよ、君。草がのび、太陽が沈み、馬車が扉のところにとまっている。こうしたことはすべて事実なんだ。君は僕のことを邪険にしては、僕がお金を目当てに追いかけているとか、本当は君のことを愛していないと言って言い訳ばかりだ。でも、今ここに立って、君を愛していないと言っても信じようとはしないだろう。真実は、今夜、この庭で目にするとおりだからだ」

「たしかに、ムーンさん」ロザムンドは言ったが、その声はかすれていた。

 

“Really,” said Rosamund stoutly, “I don’t know what you mean.”

“What a lie!” cried Michael, advancing on her with brightening eyes. “I’m all for lies in an ordinary way; but don’t you see that to-night they won’t do? We’ve wandered into a world of facts, old girl. That grass growing, and that sun going down, and that cab at the door, are facts. You used to torment and excuse yourself by saying I was after your money, and didn’t really love you. But if I stood here now and told you I didn’t love you—you wouldn’t believe me: for truth is in this garden to-night.”

“Really, Mr. Moon…” said Rosamund, rather more faintly.

 

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