チェスタトン「マンアライヴ」一部四章第106回

「イングルウッド!」ウォーナー医師は呼びかけ、かつての弟子をじっと見つめた。「気でも狂ったのか?」

 アーサーは髪の根もとまで赤くなった。だが彼は臆することもなく、静かに答えた。「今は狂っていない。真実を言おう、ウォーナー。僕は、医学について、すこし重要な発見をした。まさに君の専門分野だ」

「それはどういうことなのか?」偉大なる医師は食い下がった。「どんな発見をしたのかい?」

「僕は発見したんだ。健康はうつりやすいものだと。まるで病気のように」アーサーは答えた。

「そのとおり。正気が発生して、今、ひろがっている最中だ」マイケルは言いながら『パ・スール』を踊り、考えにふけるような表情をうかべた。「二万人以上の患者が病院に連れていかれ、看護婦が昼も、夜もつきっきりになるだろう」

 

“Inglewood!” cried Dr. Warner, fixing his former disciple with a stare, “are you mad?”

Arthur flushed to the roots of his brown hair, but he answered, easily and quietly enough, “Not now. The truth is, Warner, I’ve just made a rather important medical discovery—quite in your line.”

“What do you mean?” asked the great doctor stiffly—”what discovery?”

“I’ve discovered that health really is catching, like disease,” answered Arthur.

“Yes; sanity has broken out, and is spreading,” said Michael, performing a ~pas seul~ with a thoughtful expression. “Twenty thousand more cases taken to the hospitals; nurses employed night and day.”

 

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