チェスタトン「マンアライヴ」一部五章121回

彼の物腰は素晴らしかったが、まったく英国風ではなかった。彼には無意識ながら癖が二つあり、そのせいで一度でも会った者は、彼のことを記憶していた。ひとつは目を細める癖で、彼がことさら礼儀正しくしいようとするときに見せるものであった。もう一つは親指と人差し指で宙に輪をつくる癖で、まるで嗅ぎ煙草をつまんでいるように見えるのだが、それは彼が戸惑い、言葉を選んでいるときの癖であった。だが彼とのつきあいが長い者たちが、こうした奇行を忘れる傾向にあるのは、彼のまくしたてる会話が風変りで重々しいものであるせいであり、また不思議な視点にたって話しているせいであった。

 

His manners were excellent, though hardly English, and he had two half-conscious tricks by which people who only met him once remembered him. One was a trick of closing his eyes when he wished to be particularly polite; the other was one of lifting his joined thumb and forefinger in the air as if holding a pinch of snuff, when he was hesitating or hovering over a word. But those who were longer in his company tended to forget these oddities in the stream of his quaint and solemn conversation and really singular views.

 

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