チェスタトン「マンアライヴ」一部五章第127回

ちびのヤンキー科学者が真摯に話し続けるものだから、耳をかたむけている人々は、彼の声や物腰がたぶらかしだということは忘れていた。目をつむる様子も、だんだん上ずっていく声の調子も、宙で動かしている指やら親指やら―こうした仕草は、他のときであれば、滑稽なものであっただろう。彼がウォーナーより賢いということは、たいしたことでなかった。彼にしても、そう賢いわけではなかったが、ただ賞賛される機会が多かった。だが彼には、ウォーナーにないものがあった。それは清々しく、永遠不変の真面目さであった。いわゆる単純さという、アメリカの素晴らしい徳である。ロザムンドは眉をひそめると、暗がりに沈んでいく家を憂鬱そうに見たが、その家のなかには凶悪な天才がいるはずであった。

 

The little Yankee scientist had been speaking with such evident sincerity that one forgot the tricks of his voice and manner— the falling eyelids, the rising intonation, and the poised finger and thumb—which were at other times a little comic. It was not so much that he was cleverer than Warner; perhaps he was not so clever, though he was more celebrated. But he had what Warner never had, a fresh and unaffected seriousness— the great American virtue of simplicity. Rosamund knitted her brows and looked gloomily toward the darkening house that contained the dark prodigy.


PDF

さりはま の紹介

何かあればsarihama★hotmail.co.jpまでご連絡ください。★は@に変えてください。更新情報はツィッター sarihama_xx で。
カテゴリー: チェスタトンの部屋, マンアライヴ パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Time limit is exhausted. Please reload the CAPTCHA.