チェスタトン「マンアライヴ」一部五章第145回

「これから、順番に説明していこう。いったんスミスを門の外に連れ出せば、彼は夕刊の一面を飾ることになる。分かるんだ。僕自身、一面を書いたことがあるから。ミス・デューク、君も、おばさんも、下宿が注目をあびてもいいのか? 『ここで医師が撃たれる』と。ああ、医者なんてつまらない連中だ。前から僕は言っているけど。でも、君たちにしたところで、つまらない当てこすりは望むまい。アーサー、考えてみるんだ。僕が正しかったときのことを。あるいは間違っていたときのことを。スミスは、君の学生時代からの友達として、ここにあらわれた。僕の言葉を記録しておけよ。もし彼が有罪ということになれば、新聞は、君が彼を紹介したと書きたてる。もし彼が無実だとわかれば、新聞は、君が捕まえるのに手を貸したと書くだろう。ロザムンド、いいかい。僕が正しい場合、間違っている場合のことを考えてごらん。もし彼が有罪だということになれば、君のコンパニオンと婚約していたことが記事になる。無罪だということになれば、あの電報が新聞にのるだろう。僕はマスコミのことをよく知っているから、忌々しい連中だよ」

 彼はしばし話すのをやめた。急に合理主義をとなえたせいで息がきれ、それは芝居がかった物言いよりも、真に弾劾する口調で言うよりも、もっと息がきれるものであったからだ。だが彼はあきらかに本気であり、また自信をもっていながら、同時に分かりやすくもあった。彼が息をととのえると、すぐに、それは証明された。

 

“Come, I’ll take each of you in order. Once take Smith outside that gate, and you take him into the front page of the evening papers. I know; I’ve written the front page myself. Miss Duke, do you or your aunt want a sort of notice stuck up over your boarding-house—`Doctors shot here.’? No, no—doctors are rubbish, as I said; but you don’t want the rubbish shot here. Arthur, suppose I am right, or suppose I am wrong. Smith has appeared as an old schoolfellow of yours. Mark my words, if he’s proved guilty, the Organs of Public Opinion will say you introduced him. If he’s proved innocent, they will say you helped to collar him. Rosamund, my dear, suppose I am right or wrong. If he’s proved guilty, they’ll say you engaged your companion to him. If he’s proved innocent, they’ll print that telegram. I know the Organs, damn them.”

He stopped an instant; for this rapid rationalism left him more breathless than had either his theatrical or his real denunciation. But he was plainly in earnest, as well as positive and lucid; as was proved by his proceeding quickly the moment he had found his breath.

 

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