国連レポート1章の1「世界経済危機の余波で若者に適した仕事が不足気味」

Chapter One: Employment & Youth.

2011年12月 若者についての国連レポート2012年若者の雇用より

どの地域でも若者だけがバランスを欠いた状態で、失業、不完全就業、傷つきやすい雇用、ワーキングプアなどの影響を受けている。経済が成長していたときでさえも、大半の経済社会は労働市場に若年層を吸収することができなかった。しかしながら近年では、世界的な財政と経済的な危機が若者を直撃し、とりわけ先進国の若者が困難にさらされている。

世界中で、若者が労働力になる割合が低落気味である。1998年と2008年にかけて、若者が労働力に加わった割合は54.7パーセントから50.8パーセントへと低下した(ILO、2010年度、3ページ)。2009年度は、世界的な失業率が全体で6.3パーセントであるのに対して(ILO、2011年度、12ページ)、若者全体の失業率は12.7パーセントとピークに達し、7億5800万の若者が失業していることになる。世界的な統計をとりはじめた過去20年間で、一番失業率が増えた年だということになる(ILO、2011年、4ページ)。若者の失業率はすべての地域において、割合はさまざまであるが成人の失業率よりもきわめて高い。2010年において、世界の若者の失業率は12.6パーセントのままで(仕事を探している若者の絶対的な数の減少にもかかわらず)、世界における成人の失業率4.8パーセントの影を薄くしてしまう。(ILO、2011年、および国連経済社会分野の人口部門2011年)。若者が労働力に参入する率が低下しているということは、そのかわりにフルタイムで通学したり訓練をうけているということを暗示しているのかもしれない。しかしながら最近の高い失業率と平行して、若者が労働力に参入する率が低下しているということは、若者の多くが仕事を探すことをやめてしまったということを示すのかもしれない。もし仕事を探し続けているなら、実際の失業率はもっと高くなるだろう。

これにはいくつか理由がある。経済が沈滞しているあいだ、若者はしばしば「最後に入れてもらう者」であり、「最初に出される者」なのである。すなわち最後に雇用され、最初に解雇される存在なのである。若い労働者は年配の労働者より仕事の経験が少なく、それが雇用主にとっては価値があることなのである。こうしたことはとりわけ、学校が仕事への移行期、すなわち若者が最初の仕事を求めて労働市場に入る時期であるという厳しい含みをもっている。仕事につくということは、若いひとが成人の中に入っていくことになる。そして個人にとっても、家族にとっても収入のもととして、当然のことながら活気をあたえるものになる。

若い人たちは長期間にわたる仕事のない期間に直面し、その多くは意気消沈してしまう。雇用の機会を探すことをやめ、労働市場からも落ちこぼれてしまおうとする。(どの時点でも、すでに若者は正式な失業者との定義からはずれる)。多くの若者は教育機関に「身を潜める」ことを選び、また他の者はボランティア的な仕事に従事する。若者は良い仕事につく機会を待つ間に、知識や技術、体験を構築しようとする。またある者は、適切な収入を得ようとして多種多様な仕事を受け入れるかもしれない。いくつかの国では最近、パートタイムで働く若者と同じく、時間契約の不完全雇用の若者も増加している。この事実は、それぞれの彼なり彼女なりが現在よりもっと労働時間をふやしたいと願っていることを示している。(ILO 2011年 4ページ)。いくつかのケースでは、若者がただじっとしているだけの場合もあり、働きもしなければ学校に行くわけでもないということもある。しかしながら極貧のうちに生活している若者は、じっとしているだけの余裕もなければ、学校に戻る余裕も、「身を潜めている」余裕もない。極貧の若者は生活していく何らかの手段を見つけなければならないが、そうした仕事はしばしば賃金が低く、仕事の質も貧相であり、違法なところもある経済社会において顕著な現象である。若者をきちんとした産業につけたり、やりがいのある自由業につけようと試みなくてはならないのだ。(LadyDADA訳・Riverチェック)

LadyDADAのつぶやき・・・ILOの若年失業のレポートに関心をもってくださった方が非常に多く、BlackRiverの再任用拒否がきっかけとなり、このブログを開設した私としては労働問題関係の地味な、でも悲惨なレポートを読んで下さった方々に感謝しています。ILOと内容が重なる部分もありますが、この後順次訳していく予定なので国連のレポートも読んでいただけたら幸いです。なお若年ではありませんが、このブログの訳をチェックしてくれている相棒BlackRiverの再任用拒否も、退職後の再任用という新しい雇用形態のいい加減さと、年配者の雇用を大切にしない風潮が実によくでているケースだと思います。再任用拒否のドタバタ記録も読んでいただき、若年失業とあわせて再任用というこれからの新しい雇用の在り方も考えていただけたらと思います。

 

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