チェスタトン「マンアライヴ」一部五章第166回

イングルウッドが本能を働かせて第一に考えたのは、友人が当惑のあまり、ついに本当に狂ってしまったということであった。あまりにも思慮分別に欠けた、見当ちがいの言葉が聞こえてくるのは、熱帯の風景が描かれているように想像するようにと求められた壁からのようだが、その熱帯の景色は想像の産物で、もともとの庭は生気に欠け、風が吹きさらしていくような、幾分冷え冷えとした郊外の庭であって、実際、彼はそこで蹴りつけていた。そうしたところにいながら、別の庭を想像することで、どうすれば、もっと幸せになるのだろうかと、彼には見当もつかなかった。どちらの庭も、庭自体は心地よいものではなかった。

 

Inglewood’s first instinct was to think that his perplexing friend had really gone off his head at last; there seemed so reckless a flight of irrelevancy from the tropic-pictured walls he was asked to imagine to the gray, wind-swept, and somewhat chilly suburban garden in which he was actually kicking his heels. How he could be more happy in one by imagining the other he could not conceive. Both (in themselves) were unpleasant.

 

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