チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第179回

彼は視線をおとすと、己の雄弁さにやや感銘をうけた様子で、軽く咳払いをして、ボストン流のすばらしい仕草で、四本の細い指先を広げてから話を続けた。「ここにあるのは幸せで、人間らしい考えの結論にすぎないながら、目の前の哀れな男についての考察である。それなんだよ、ミルウォーキーの博士がすっかり明らかにしたのは。偉大な男だ。『破壊的なタイプ』という研究書で、秘密を明らかにしていくソネンシャインのことだよ。スミスのことを殺人者として告発はしない。殺人をしかねない男として告発するのだ。いかにもというタイプだから、その命は、むしろ健康状態はと言うべきなのかもしれないが、殺人の渦中にある。なかには常軌を逸しているのではなくて、より新しく、より高度な存在なのだと考えるものもいる。私の昔からの友人、バルガー博士はフェレットを飼っているが-」(ここでムーンは突然、大きく「万歳」と叫んだが、即座に悲劇的な表情を取り戻したので、デューク夫人はその音の正体をたしかめようと四方をながめた。

 

He looked down, somewhat affected with his own eloquence, coughed slightly, putting up four of his pointed fingers with the excellent manners of Boston, and continued: “There is but one result of this happier and humaner outlook which concerns the wretched man before us. It is that thoroughly elucidated by a Milwaukee doctor, our great secret-guessing Sonnenschein, in his great work, `The Destructive Type.’ We do not denounce Smith as a murderer, but rather as a murderous man. The type is such that its very life— I might say its very health—is in killing. Some hold that it is not properly an aberration, but a newer and even a higher creature. My dear old friend Dr. Bulger, who kept ferrets—” (here Moon suddenly ejaculated a loud “hurrah!” but so instantaneously resumed his tragic expression that Mrs. Duke looked everywhere else for the sound);

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