チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第197回

「第三の質問だ」ムーンは言ったが、その鋭い語調に、誰もが飛びあがった。

「君が手に入れた証拠とは、何発かの銃声を聞いたという副学長からのものだ。銃で撃たれたという学長自身の証拠はどこにあるのか。ブレークスピアの学長は生きている。立派な紳士だ」

「学長からも供述をとろうとはした」ピムはやや神経質に答えた。「だが、それは常軌を逸したものだったから、老紳士を守るためにも、その証言は使わないことにした。あの方は科学に貢献してきた偉大な方なのだから」

 ムーンは身をのりだした。「つまり君たちの判断によれば」彼は言った。「彼の供述は、被告に好意的なものだということか?」

「そう考えることができるだろう」アメリカの医師は答えた。「でも本当に、理解するのは困難だった。だから、その供述書は送り返した」

「ブレークスピアの学長が署名した供述は、もう手元にないと言うのだね」

「ない」

 

“A third question,” said Moon, so sharply that every one jumped.
“You’ve got the evidence of the Sub-Warden who heard some shots;
where’s the evidence of the Warden himself who was shot at?
The Warden of Brakespeare lives, a prosperous gentleman.”

“We did ask for a statement from him,” said Pym a little nervously; “but it was so eccentrically expressed that we suppressed it out of deference to an old gentleman whose past services to science have been great.”

Moon leaned forward. “You mean, I suppose,” he said, “that his statement was favourable to the prisoner.”

“It might be understood so,” replied the American doctor; “but, really, it was difficult to understand at all. In fact, we sent it back to him.”

“You have no longer, then, any statement signed by the Warden of Brakespeare.”

“No.”

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