チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第206回

「分かっているよ。そういう考え方にも、はじめは少し優れたところがあるのは」イングルウッドは口をはさみ、弁明するかのような表情を露骨にうかべた。「だが、君も分かるだろうが、この文書を書くのに協力しているのは教員と…」

「ほう、飲んだくれと言いたいのか?」モーゼスはあてこすっては楽しんだ。

「ぼくもそう考えているよ」イングルウッドは平静に話し続けたが、その口調は容赦なかった。「この部分を書いたのは教員だろうと。ただ法廷に警告しておきたいのは、この文書について言えば、疑う余地のないほど、二人の人間が書いた跡があちらこちらに残っている」

「この場合は」ピム博士は後ろにもたれかかって馬鹿にした。

「双頭のほうが、ひとりの人間よりもいいということには賛成しかねる」

 

“I know it’s a little transcendental at first,” interposed Inglewood, beaming round with a broad apology, “but you see this document was written in collaboration by a don and a—”

“Drunkard, eh?” suggested Moses Gould, beginning to enjoy himself.

“I rather think,” proceeded Inglewood with an unruffled and critical air, “that this part was written by the don. I merely warn the Court that the statement, though indubitably accurate, bears here and there the trace of coming from two authors.”

“In that case,” said Dr. Pym, leaning back and sniffing,
“I cannot agree with them that two heads are better than one.”

 

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