チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第216回

「イームズ博士が、疲れているけれど、まだ話をしたそうな顔で背後をふりかえると、そこに見いだしたのは小さくて、丸い、黒い穴がひとつ、その穴は鋼鉄でできた六角の小円で縁どられ、その上部には太釘のようなものが突き出ていた。それは鋼の目のように彼を見据えた。こうして永遠に思われる時がながれ、そのあいだに彼の理性は吹っ飛んでしまったが、それでも彼にはそれが何であるのか分かっていなかった。それから、そのむこうに彼が見たものとは装填された銃であり、今にも火をふこうとしているレボルバーであった。さらにそのむこうには、紅潮させながらも、幾分真面目なスミスの顔があり、その表情はあきらかに変わることなく、かつてよりも穏やかでさえあった。

 

“Dr. Eames had turned his tired but still talkative head over his shoulder, and had found himself looking into a small round black hole, rimmed by a six-sided circlet of steel, with a sort of spike standing up on the top. It fixed him like an iron eye. Through those eternal instants during which the reason is stunned he did not even know what it was. Then he saw behind it the chambered barrel and cocked hammer of a revolver, and behind that the flushed and rather heavy face of Smith, apparently quite unchanged, or even more mild than before.

 

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