チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第223回

こうして朝の色に染められた頂きのすべてが、不思議と別々のものであるかのように思え、そのまわりには何か暗示するような雰囲気が漂い、それはあたかも高名な騎士のクレストが野外劇や戦場で示されるかのようであった。それぞれの頂きに目を奪われたが、なかでもエマーソン・イームズのぐるぐる回る目には顕著なものがあり、彼は眼下の風景をみわたしては、今生の最後の眺めとして心に刻みつけた。狭い隙間が黒々としたティンバーと灰色の、大きなカレッジのあいだにはできていて、そのむこうに時計がみえたが、金メッキをほどこした針は太陽の陽に燃えていた。彼が眺める有様は、催眠状態にかかっているかのようであった。だが突然、時計が時を告げ始め、まるで彼に答えているかのようであった。それを合図にしたかのように、時計が次から次へと鳴り始めた。すべての教会が、明け方の鶏のように目覚めた。鳥たちもすでに、大学の裏手の木立で賑やかに囀りはじめていた。

 

All these coloured crests seemed to have something oddly individual and significant about them, like crests of famous knights pointed out in a pageant or a battlefield: they each arrested the eye, especially the rolling eye of Emerson Eames as he looked round on the morning and accepted it as his last. Through a narrow chink between a black timber tavern and a big gray college he could see a clock with gilt hands which the sunshine set on fire. He stared at it as though hypnotized; and suddenly the clock began to strike, as if in personal reply. As if at a signal, clock after clock took up the cry: all the churches awoke like chickens at cockcrow. The birds were already noisy in the trees behind the college.

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