チェスタトン「マンアライヴ」二部一章第233回

「先生の助言にしたがいましょう」がっしりとした体格の青年は言った。「残りの弾はとっておくとしよう。恥ずべき状態にある連中のために。ちょうど昨夜の先生と僕のように。酔っぱらっていたからと言いいたいくらいですよ。この弾は、悲観論者のためにとっておきましょう。蒼白い顔をした連中の薬として。こんなふうにして世界を歩いていきたいんだ、すばらしい驚きのような存在として。ふわりふわりと漂っていたい。まるで薊の冠毛のように。そっと近づいてみたい。まるで朝日が昇るように。雷ぐらいに嫌がられる存在でもいい。そよ風がないでいくように、記憶に残らない存在でもいい。みんなから楽しみにされたくないんだよ。よく知られている冗談男としては。それから現実にある冗談をいう男として。僕の才能を汚れのないものにしたいし、同時に暴力的なものにもしたい。死でもありたいし、死後の生でもありたい。ピストルをつきつけるつもりだよ、現代人の頭にむけて。でも殺すのに使いはしない。ただ現代人に生命を蘇らせたいんだ。新たな意味を見つけたんだよ、宴の場に骨と皮の人間がいることに」

 

“`Because I mean to follow your advice,’ answered the massive youth, `I mean to keep the remaining shots for people in the shameful state you and I were in last night—I wish we could even plead drunkenness. I mean to keep those bullets for pessimists—pills for pale people. And in this way I want to walk the world like a wonderful surprise— to float as idly as the thistledown, and come as silently as the sunrise; not to be expected any more than the thunderbolt, not to be recalled any more than the dying breeze. I don’t want people to anticipate me as a well-known practical joke. I want both my gifts to come virgin and violent, the death and the life after death. I am going to hold a pistol to the head of the Modern Man. But I shall not use it to kill him—only to bring him to life. I begin to see a new meaning in being the skeleton at the feast.’

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