チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第242回

三十分ほどしてから、この傑出した犯罪学者が説明した話によれば、財産にからんだ犯罪に対する考え方も、命にからんだ犯罪に対する考え方も、科学的見地にたてば同じ見方ができるということであった。「たいがいの殺人者は」彼は言った。「殺人狂からの変異なんだよ。同じように泥棒というものも、窃盗狂からの変異なんだ。いかなる疑いであろうと、私は楽しむ気持ちにはなれない。向かいに座っている学識ある我が友人たちが、こう考えているのですから。つまり、こうした変異のせいで、罰するという企ては、古代の残酷な法典より、さらに寛大で、人間らしいものになるにちがいないと。また友人たちは見せてくれることでしょう、意識の大きな裂け目を。それはたいそう大きく裂けていて、注意をひきつけるものですからー」そこで彼は一息つくと、繊細な身ぶりで仄めかしをしてみせた。もうマイケルは我慢ができなかった。

 

For the last half-hour or so the eminent criminologist had been explaining that science took the same view of offences against property as it did of offences against life. “Most murder,” he had said, “is a variation of homicidal mania, and in the same way most theft is a version of kleptomania. I cannot entertain any doubt that my learned friends opposite adequately con-ceive how this must involve a scheme of punishment more tol’rant and humane than the cruel methods of ancient codes. They will doubtless exhibit consciousness of a chasm so eminently yawning, so thought-arresting, so—” It was here that he paused and indulged in the delicate gesture to which allusion has been made; and Michael could bear it no longer.

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