チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第235回

 先ほどの取り決めで認められた権限を要求し、起訴側に二、三の質問をしたいと思います」

 サイラス・ピム博士は目をつむり、慇懃に同意をしめした。

「第一に」ムーンはつづけた。「キャノン・ホーキンスが最後にスミスを見かけ、パーシーが壁や屋根を登っていたという日は、いつのことですか?」

「ほう、そうですね」グールドは如才なく答えた。「1891年11月13日でした」

「それから」ムーンはつづけた。「彼らが登ったホクストンの家はわかりますか?」

「ハイロードをでたところにあるレディスミスのテラスハウスにちがいない」グールドは、ぜんまい仕掛けの迅速さで答えた。

「それでは」マイケルは言うと、彼のほうにむかって片方の眉をぴくりと動かした。「あの夜、テラスには押込み強盗はあったのですか? あなたは気づくことができたはずだ」

「あったのかもしれませんが」医師はまず答えてから、間をおいた。「不首尾に終わったもので、法の追求ができないものです」

 

“I should like to claim the power permitted by our previous arrangement, and ask the prosecution two or three questions.”

Dr. Cyrus Pym closed his eyes to indicate a courteous assent.

“In the first place,” continued Moon, “have you the date of Canon Hawkins’s last glimpse of Smith and Percy climbing up the walls and roofs?”

“Ho, yus!” called out Gould smartly. “November thirteen, eighteen ninety-one.”

“Have you,” continued Moon, “identified the houses in Hoxton up which they climbed?”

“Must have been Ladysmith Terrace out of the highroad,” answered Gould with the same clockwork readiness.

“Well,” said Michael, cocking an eyebrow at him, “was there any burglary in that terrace that night? Surely you could find that out.”

“There may well have been,” said the doctor primly, after a pause, “an unsuccessful one that led to no legalities.”

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