チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第237回

一方、被告人スミスは、皆さんも認めるところかと思いますが、抗いがたい魅力の持ち主です。私の考えでは、あきらかに敬われているパーシーを犯罪にみちびき、真の犯罪者たちの階級のなかに彼の頭ごとうずめてしまったのです。こう考えれば、彼が出頭しないわけも、彼のあとを追いかけることができないことも説明がつくことでしょう。

「では、彼を追いかけることは不可能だというのですか?」ムーンは訊ねた。

「不可能だ」専門家は答え、目をとじた。

「たしかに不可能だというのですね?」

「だまれ、マイケル」グールドが怒ってさけんだ。「もし出来るのなら、私たちも彼を見つけていただろうよ。君があの押込み強盗を見たというのだから。君が探し始めればいいじゃないか。ごみ箱のなかで自分の頭を探してみろ。すぐに見つけるだろう」やがて彼の声は途切れ、ぶつぶつ言うのが聞えるだけだった。

 

On the other hand, the prisoner Smith is, by general agreement, a man of irr’sistible fascination. I entertain no doubt that Smith led the Revered Percy into the crime and forced him to hide his head in the real crim’nal class. That would fully account for his non-appearance, and the failure of all attempts to trace him.”

“It is impossible, then, to trace him?” asked Moon.

“Impossible,” repeated the specialist, shutting his eyes.

“You are sure it’s impossible?”

“Oh dry up, Michael,” cried Gould, irritably. “We’d ‘ave found ‘im if we could, for you bet ‘e saw the burglary. Don’t YOU start looking for ‘im. Look for your own ‘ead in the dustbin. You’ll find that—after a bit,” and his voice died away in grumbling.

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