チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第239回

「塀のうえで狼狽えているホーキンスに気がついたが、私は動じないと心にきめた。憤怒の念が雲となって私の頭上にかかる様子は、まるで家々や庭に銅色の雲がかかるかのようであった。私の決意は荒々しくはあったが、単純なものだった。ただ、そう決意するまでの思考はとても複雑で、矛盾にみちていたので、もう、その思考をたどることは私にはできなかった。ホーキンスが親切な男であることも、世間知らずの紳士であることも承知しているが、それでも彼を道でけり倒す喜びを味わうためなら10ポンド支払ったことだろう。神から許されて、妖精たちは獣のように愚かになるのだから、それと同じようにしようという冒涜の思いに私は強くかられた。

 

“As I watched Hawkins wavering on the wall, I made up my own mind not to waver. A cloud of wrath was on my brain, like the cloud of copper fog on the houses and gardens round. My decision was violent and simple; yet the thoughts that led up to it were so complicated and contradictory that I could not retrace them now. I knew Hawkins was a kind, innocent gentleman; and I would have given ten pounds for the pleasure of kicking him down the road. That God should allow good people to be as bestially stupid as that— rose against me like a towering blasphemy.

 

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