チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第262回

その部屋には本がならび、ゆたかで温かみのある雰囲気を醸し出し、おかげで壁面は活気があふれているように思えた。本棚は奥行きがあって、本がぎっしりと並んでいたが、だらしのない本棚で、寝床で読む目的でいつも本を探しているというような類のものであった。赤いゴブリンのような印象深いドイツのストーヴが隅におかれていた。胡桃材でできた食器棚がひとつ見え、その下の扉は閉じられていた。窓は三つあり、高さはあるが幅のせまい窓だった。もう一度目をはしらせてから、侵入者は胡桃の扉をぐいと開けると、中を隅々まで漁った。そこに何もなかったのは明らかであった。見つかったものと言えば、このうえなく見事なカットグラスのデキャンターで、ポート酒のようなものが入っていた。

 

The room was comfortably lined with books in that rich and human way that makes the walls seem alive; it was a deep and full, but slovenly, bookcase, of the sort that is constantly ransacked for the purposes of reading in bed. One of those stunted German stoves that look like red goblins stood in a corner, and a sideboard of walnut wood with closed doors in its lower part. There were three windows, high but narrow. After another glance round, my housebreaker plucked the walnut doors open and rummaged inside. He found nothing there, apparently, except an extremely handsome cut-glass decanter, containing what looked like port.

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