2017.12 隙間読書 エイクマン『恍惚』

『恍惚』

作者:エイクマン

初出:1968年、Sub Rosa

ちくま文庫「奥の部屋」

亡くなった画家が残した原稿には、ある画家の未亡人を訪ねてベルギーに行ったときのことが記されていた。

この作品に出てくる登場人物は、エイクマンを思わせる言葉を語る。エイクマンは、こんな気持ちで作品を書いていたのだろうか…と不思議な作品の奥にあるものが少し見えてくる。

実際に印税をもたらすのは読破される本ではない。

僕の絵は直感と象徴で成り立っており、創作開始から終了まで誰か別の人が描いているような気がしてならない。

絵というものは必ず個人の所蔵に係らねばならないというのが僕の持論だ。あまり多くの人の共有物になると絵は死んでしまうとさえ思っている。

画家の妻はどうしたのか?未亡人の娘はいったい何だったのか?未亡人は、何のために娘のドレスや下着を見せたのか?理由はつかないけれど、どの場面も鮮やかに浮かんでくる。

ベルギーを舞台にした不思議な映画を観ているように心地よい作品。

読了日:2017年12月6日

 

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