チェスタトン「マンアライヴ」二部二章第278回

ときどき、彼は妻に突如として、しゃちほこばった礼儀正しさをとることがよくあって、まるで一目で恋におちた若者のようであった。ときどき、彼はこの詩的不安の対象を家具にまで広げることがあって、腰かけている椅子に謝罪したり、岩登りの名人のように注意深く階段をのぼったりしたが、それは自分自身のなかに現実という骨組みを取り戻すためのものであった。あらゆる階段とは梯子であり、あらゆる椅子には脚がついているのだからと彼は言った。

 

“Sometimes he would, of a sudden, treat his wife with a kind of paralyzed politeness, like a young stranger struck with love at first sight. Sometimes he would extend this poetic fear to the very furniture; would seem to apologize to the chair he sat on, and climb the staircase as cautiously as a cragsman, to renew in himself the sense of their skeleton of reality. Every stair is a ladder and every stool a leg, he said.

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