チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第296回

それから、その怪物はとても礼儀正しく手招きをして、夕食前にベルモットをいっしょに飲もうと声をかけてきたので、私たちは話しこむことになりました。その男が小舟を安く手に入れ、ケントから渡ってきたのは明らかでした。それも東の方に急いで進まなくてはという妙な妄想をいだいたからで、定期船がくるのを待とうとしなかったからなのです。いくぶん曖昧な説明ではありましたが、或る家を探しているとのことでした。さり気なく其の家はどこにあるのか訊ねたところ、彼は知らないと言うのです。たぶん島にあって、どこか東の方にあるのだということでした。あるいは、漠然とじれったいような身ぶりで「むこうのほう」にあるのだと言いました。

 

Then the monster, with great politeness, invited me to partake of a vermouth before my dinner, and we fell into conversation. He had apparently crossed from Kent by a small boat got at a private bargain because of some odd fancy he had for passing promptly in an easterly direction, and not waiting for any of the official boats. He was, he somewhat vaguely explained, looking for a house. When I naturally asked him where the house was, he answered that he did not know; it was on an island; it was somewhere to the east; or, as he expressed it with a hazy and yet impatient gesture, `over there.’

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