チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第299回

「もっと近道もあると思いますよ?」私は言いました。「今いる場所から動かなければいいのでは?」

「いや、それはちがう」彼は語気を強めて言った。「そんなことをすれば遠回りになるし、くたくたになってしまう。世界の果てを目指してごらん。夜明けを目指してごらん。そこに見つけだすのは妻であり、彼女とはたしかに結婚している。それから家も見つけるだろうけど、その家はたしかに自分の家だ。そしてその家の街灯はひときわ鮮やかな緑に塗られている。街灯もはっきりとした赤に塗られている。ねえ、君?」かれはふと力をこめて訊いてきた。「自分の家から駆けだして、そうしたものを見つけたいと思ったことはないのか?」

 

“`Is it not even shorter,’ I asked, `to stop where you are?’

“`No, no, no!’ he cried emphatically. `That way is long and very weary. At the end of the world, at the back of the dawn, I shall find the wife I really married and the house that is really mine. And that house will have a greener lamp-post and a redder pillar-box. Do you,’ he asked with a sudden intensity, `do you never want to rush out of your house in order to find it?’

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