チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第323回

あえて申し上げるなら、シエラ山脈の頂上のすぐ下で暮らしたせいで、私の心は少なからず影響をうけました。こうした寂しい岩山のことを考えるときに、先の尖った頂としてではなく、天国をささえる柱として思い浮かべてしまうのです。そそりたつ絶壁はどこまでも続き、鷲の絶望も遠くへおいやります。絶壁はとても高くそびえているものですから、星をひきよせては集めているように見えます。それは海の岩がリンの輝きを集めるかのようでもありました。岩の大地も、岩の塔も、小さな峰からなる山とは異なって、この世の果てには思えませんでした。果てと言うよりはむしろ、恐ろしい世の始まりのようにも思えたのです。そう、恐ろしい世の根幹のように…。頭上に山が枝をのばしてくるようにも思え、まるで岩でできた木のようでありました。宇宙の光がさしてくるようにも思え、枝わかれしている燭台のようでもありました。山の頂は私たちを見捨て、不可能なくらいに空高く舞い上がっているのです。星々が私たちのまわりに群がり(そのように思えました)、信じられないくらいに近づいてきました。球体がまわりで爆発する様子は、稲妻が地に叩きつけられるようであり、穏やかに回転する球体には思えませんでした。

“I dare say that living under the very top of the Sierras has an odd effect on the mind; one tends to think of those lonely rocks not as peaks coming to a point, but rather as pillars holding up heaven itself. Straight cliffs sail up and away beyond the hope of the eagles; cliffs so tall that they seem to attract the stars and collect them as sea-crags collect a mere glitter of phosphorous. These terraces and towers of rock do not, like smaller crests, seem to be the end of the world. Rather they seem to be its awful beginning: its huge foundations. We could almost fancy the mountain branching out above us like a tree of stone, and carrying all those cosmic lights like a candelabrum. For just as the peaks failed us, soaring impossibly far, so the stars crowded us (as it seemed), coming impossibly near. The spheres burst about us more like thunderbolts hurled at the earth than planets circling placidly about it.

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