チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第328回

その男は無言で、その方向を熊手で指し示しました。彼が話すよりもまえに、言いいたおことはわかりました。緑色の、巨大な岩のむこうには紫色の空がひろがり、星がひとつ出ていました。

「星がひとつ、東の空に」彼は奇妙な、しゃがれた声で言いましたが、その声は古の鷲のようでした。「賢者たちはあの星にしたがって進み、家を見つけました。けれども私が星にしたがったところで、家を見つけることができるだろうか?」

「おそらく、それは」私は微笑みながら言いました。「あなたが賢い人かどうかによるでしょう」

賢くは見えないと言いたいところでしたが、それはこらえました。

「君のひとり合点なのかもしれないよ」彼は答えました。「僕が自分の家を離れたのは、そこを留守にしていることに耐えられなくなったからだなんて」

「矛盾しているように聞こえる言葉ですが」私は言いました。

“The man silently stretched out his rake in that direction, and before he spoke I knew what he meant. Beyond the great green rock in the purple sky hung a single star.

“`A star in the east,’ he said in a strange hoarse voice like one of our ancient eagles’. `The wise men followed the star and found the house. But if I followed the star, should I find the house?’

“`It depends perhaps,’ I said, smiling, `on whether you are a wise man.’
I refrained from adding that he certainly didn’t look it.

“`You may judge for yourself,’ he answered. `I am a man who left his own house because he could no longer bear to be away from it.’

“`It certainly sounds paradoxical,’ I said.

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