チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第336回

突然、モーゼス・グールドは大きな科学の本を手にとると、他の本の上にどさりと投げ、短い足を食卓にほうりだした。椅子をうしろのほうに倒していき、ひっくりかえるそうになるくらいまで傾していきながら、口笛をふいた。居合わせた者の心臓が縮みあがるくらいに長々と続く、まるで蒸気エンジンのような口笛で、それは「ばかばかしい」と言わんばかりであった。

ムーンに何がばかばかしいのか訊ねられると、彼はもう一度、本をどさりと背後に放ると、かなり激高しながら答え、書類をはらいのけた。

Suddenly Moses Gould banged one big scientific book on top of another, cocked his little legs up against the table, tipped his chair backwards so far as to be in direct danger of falling over, emitted a startling and prolonged whistle like a steam engine, and asserted that it was all his eye.

When asked by Moon what was all his eye, he banged down behind the books again and answered with considerable excitement, throwing his papers about.

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