チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第399回

「モーゼス・グールド、君が言いたいのは」イングルウッドは訊ねました。「僕たちが提出した無罪弁明の証拠について、まだ疑っているということなのか?」

「ああ、まだ疑っている」グールドは傲然と言い放った。「証拠はどれもこじつけだし、はっきりしないものばかりだ。どうやってそんな話を確かめるのか?コースキー・ウォスキーとか、そんな名前の駅にどうすれば立ち寄って、ピンク色の紙に印刷されたフィナンシャル・タイムズとかスポーティング・タイムズといった類の新聞を買うことができるのか? シエラ山脈のうえにあるパブにどうやって出かけて、酒を飲めばいいというのか? でもワージングにある詩人バンティングの下宿屋になら誰もが行くことができる」

“Do you mean to say,” asked Inglewood, “that you still doubt the evidence of exculpation we have brought forward?”

“Yes, I do still doubt it,” said Gould warmly. “It’s all a bit too far-fetched, and some of it a bit too far off. ‘Ow can we test all those tales? ‘Ow can we drop in and buy the `Pink ‘Un’ at the railway station at Kosky Wosky or whatever it was? ‘Ow can we go and do a gargle at the saloon-bar on top of the Sierra Mountains? But anybody can go and see Bunting’s boarding-house at Worthing.”

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