チェスタトン「マンアライヴ」二部三章第400回

ムーンはグールドを見つめたが、その顔にうかんだ驚きは心からのものなのか、偽りのものなのか判断しかねた。

「誰であろうとも」グールドはつづけた。「ミスター・トリップを求めることができる」

「ずいぶん元気のでる考えじゃないか」マイケルは抑制しようとしながら答えた。「だが、なぜ誰であろうとも、ミスター・トリップを求めるのか?」

「まったく同じ理由だよ」興奮したモーゼスが両手でテーブルを叩いた。「まったく同じ理由だよ。ミスター・トリップが旦那たちとやりとりをしたのと同じ理由だよ。ハンベリーとブートルで主の祈りをささげる喧しい旦那たちとね。それからヘンドンにある一流の学校で教えているミス・グリッドレ―とやりとりをしたのも、ペンジに住んでいる年老いた嘘つきレディとやりとりをしたのも同じ理由だよ」

Moon regarded him with an expression of real or assumed surprise.

“Any one,” continued Gould, “can call on Mr. Trip.”

“It is a comforting thought,” replied Michael with restraint; “but why should any one call on Mr. Trip?”

“For just exactly the sime reason,” cried the excited Moses, hammering on the table with both hands, “for just exactly the sime reason that he should communicate with Messrs. ‘Anbury and Bootle of Paternoster Row and with Miss Gridley’s ‘igh class Academy at ‘Endon, and with old Lady Bullingdon who lives at Penge.”

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