2018.09 隙間読書 西村京太郎「消えたタンカー」

光文社文庫(新装版)

新保博久氏の解説によれば、この本がカッパ・ノベルズに書下ろし刊行されたのは1975年5月のことらしい。オイルショックでパニックになったのは1973年。その直後に刊行という時代感にドキドキ。

目のまえで場面が再現されていくような錯覚におちいる西村氏の世界は、三、四行で改行という大変読みやすい文のスタイルだけではあるまい。

タンカーの造りにしても、M16小銃にしても、喜入にしても絶対現場に足をはこび、手にふれて確かめてから書いたのだろう。目の前に場面がうかんでくるようなリアリティのある描写にワクワク。

人と人を関連づけるのに、こういうつながりの見つけ方もありか…と目から鱗の思いにもうたれる。ただこの動機でまとまるだろうか…動機としては無理がありそうな気もする。

本書を読み終えて新保教授の解説冒頭の文にまた空腹に。でも綺堂の半七ネーミング由来からスェーデンのベックシリーズにまでおよぶ広範囲な解説のおかげで頭は充たされつつ頁をとじる。

2018/09/01 読了

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