チェスタトン「マンアライヴ」二部四章第412回

トリップ氏は娘を問いただしながら、その精神の均衡がくずれているのではないかと恐れたのですが、あまり安心できないことに、娘は手回しオルガンの音を聞くとそうなってしまうと答えるだけでした。感情を高ぶらせながら、彼女は奇妙な言葉を繰り返すのである-手回しオルガン弾きの男と婚約したと言ってみたり、楽器のうえに乗ってセレナーデを奏でる男の背後でタイプライターを演奏するけれど、それはリチャード王の様式になったりブロンデルの様式になったりするというような内容でした。さらに男の耳は申し分がないうえに、女のことを激しく崇拝しているものだから、タイプライターの異なる文字の特徴を書き取っては、メロディのように文字に熱狂するのだと言いました。

Our Mr. Trip interviewed the girl, fearing that she was in an unbalanced state, and was not much reassured when she merely remarked that she always went like that when she heard the barrel organ. Becoming yet more hysterical and extravagant, she made a series of most improbable statements—as, that she was engaged to the barrel-organ man, that he was in the habit of serenading her on that instrument, that she was in the habit of playing back to him upon the typewriter (in the style of King Richard and Blondel), and that the organ man’s musical ear was so exquisite and his adoration of herself so ardent that he could detect the note of the different letters on the machine, and was enraptured by them as by a melody.

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