チェスタトン「マンアライヴ」二部四章第418回

ほかの女の先生方の私はこの下劣な男をとめようとしました。でも正直に申し上げると、偶然にもこうして仲裁をしたことで、この男の狂気が爆発してしまったのです。彼はハンマーをふりまわしながら、荒々しく皆の名前を聞き出していきました。そしてミス・ブラウンの番になったときに事は起きたのです。彼女はお若い先生のお一人でしたが、茶色のドレスを着ていました。赤茶色に近いドレスで、彼女の髪の暖かみのある色と実によく合っていて、彼女もそのことはよく分かっておりました。とても素敵な娘でした。素敵な娘たちというものは、そのあたりの色の効果をよく心得ているものなのです。そういうわけで狂気にかられた男は、茶色を身にまとっているミス・ブラウンがいることに気がつくと、男の常識は火薬庫のように吹き飛んでしまい、その場で、すべての女の先生方と少女たちの目の前で、赤茶色のドレスを着たレディに結婚を申し込みました。女子校でそうした場面がいかなる効果をもたらすかはご想像のとおりです。少なくとも、その場面を想像頂けないようでしたら、いくら言葉をつくしても描写することはできません。

The other mistresses and I attempted to stop the wretched man, but I must confess that by an accident this very intercession produced the worst explosion of his insanity. He was waving the hammer, and wildly demanding the names of everybody; and it so happened that Miss Brown, one of the younger teachers, was wearing a brown dress—a reddish-brown dress that went quietly enough with the warmer colour of her hair, as well she knew. She was a nice girl, and nice girls do know about those things. But when our maniac discovered that we really had a Miss Brown who WAS brown, his ~idee fixe~ blew up like a powder magazine, and there, in the presence of all the mistresses and girls, he publicly proposed to the lady in the red-brown dress. You can imagine the effect of such a scene at a girls’ school. At least, if you fail to imagine it, I certainly fail to describe it.

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