チェスタトン「マンアライヴ」二部四章第424回

「皆さんに第二の質問をします」ムーンはいかめしく言った。「開廷中の法廷は、類まれなる状況に何らかの光明を投げかけましたか? ピム博士は、我々が男女の関係と呼んでいるものについて興味深い講義をしました。博士がそのなかで語ったのは、スミスは多様な性欲の奴隷だということで、そうした嗜好の持ち主はまずは黒人の女に行き、それからアルビノに行くということです。あるいはまずパタゴニアの大女に行き、それからエスキモーの小女のところに行くこともあるそうです。しかし、そうした多様性の証拠となるものがここにありますか? 物語のなかにパタゴニアの大女の痕跡がありますか? タイピストはエスキモーでしたか? とても人目をひくものですから、気がつかれずにはすみますまい。レディ・ベリントンの洋裁師は黒人の女でしたか? 私の心のなかで答える声がします。「いや」と。レディ・ベリントンは、黒人女はとても人目につくから社会主義者にちかいと考えることでしょう。アルビノについても、いささか道楽めいた思いを抱いていることでしょう。

“I am asking you a second question,” said Moon sternly. “Can the court now sitting throw any light on a truly singular circumstance? Dr. Pym, in his interesting lecture on what are called, I believe, the relations of the sexes, said that Smith was the slave of a lust for variety which would lead a man first to a negress and then to an albino, first to a Patagonian giantess and then to a tiny Eskimo. But is there any evidence of such variety here? Is there any trace of a gigantic Patagonian in the story? Was the typewriter an Eskimo? So picturesque a circumstance would not surely have escaped remark. Was Lady Bullingdon’s dressmaker a negress? A voice in my bosom answers, `No!’ Lady Bullingdon, I am sure, would think a negress so conspicuous as to be almost Socialistic, and would feel something a little rakish even about an albino.

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