チェスタトン「マンアライヴ」二部四章434回

彼の動機は、十分なくらい明確だ。だが、おそらく、その信念は明確なものではない。僕がみたところ、イノセント・スミスは、こうしたことについて根底から理解している。そう思っているけれど、けっして確実ではない。でも、論議したり、弁護したりすることに価値があるのは確かなんだ。

スミスが非難している考えは、こういうものだ。もつれた文明のなかで暮らすうちに、ぜんぜん間違っていないのに間違っていると考えるようになってしまった。突然怒ったり、幸せになったり、動きまわったり、突進したり、冗談を言ったり、挫折したりすることは間違っていると考えるようになってしまった。そうしたことは、ただ許すわけにもいかず、そうかと言って咎めることもできないものなんだ。

“So far his motives are clear enough; but perhaps his convictions are not quite so clear. I think Innocent Smith has an idea at the bottom of all this. I am by no means sure that I believe it myself, but I am quite sure that it is worth a man’s uttering and defending.

“The idea that Smith is attacking is this. Living in an entangled civilization, we have come to think certain things wrong which are not wrong at all. We have come to think outbreak and exuberance, banging and barging, rotting and wrecking, wrong. In themselves they are not merely pardonable; they are unimpeachable.

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